日本テキサス・リーダーシップシンポジウム開催
3月27日にテキサス州サンアントニオ市で開催された初のイベント「日本・テキサス リーダーシップシンポジウム」は、国の当局者、民間外交官、市長や議員、企業経営者、文化パフォーマー、学生などを含む250人以上の著名な参加者たちを集めました。このリーダーシップ集会は、日本と米国の間の友好と協力関係を強化したのと同時に、長続きする強い結び付きを一体となって構築するための革新的な方法を明らかにしました。そしてビジネス・文化・コミュニティー間の交流を考察する中で、民間外交の能力、心、および精神が言及されました。
セッションでは、新興産業におけるチャンス、二国間関係の構築における文化の重要性、女性のリーダーシップと次世代起業家精神、軍事協力、文化的パフォーマンスが考察されました。それは、400以上登録されている日米の姉妹都市が過去60年にわたり生み出してきた数百の素晴らしいアイデアから、力が結集された瞬間でした。そのような素晴らしい実績に招き寄せられ、私たちは未来の課題に対処するために、コミュニティー同士の関係性を更新し、再定義し、再注目するのです。
未来に目を向けると、私たちはこのイベントを足がかりとして、2019年から2020年の間の今後2年間にわたり、地方自治体のリーダーとコミュニティーの民間外交官の間で一連のリーダーシップフォーラムを立ち上げる予定です。これが、東京オリンピックに続いて2020年に日本での開催が予定されている、初の「日米姉妹都市サミット」につながって行きます。
私たちはこの取り組みに協力してくれているみなさんに感謝しています。この初開催の本シンポジウムは、全米国際姉妹都市協会と国際キフが共催、サンアントニオ市が主催都市、そして外務省が後援を実施。全米国際姉妹都市協会グローバルリーダーサークルの助言と支援に感謝いたします。特に、AMD、ポートサンアントニオ、ブルックス、トヨタ自動車、テキサスLLC、ビューテックスInc、コールケミカル、日精樹脂工業アメリカにはお礼を申し上げたいと思います。
この時間を一緒に過ごした結果、私たちは民間外交官としての共通の約束と使命を改めて強化することができました。それは、相互の尊重・理解・協力を基礎とした人と人とのつながりを通して、平和を促進することです。未来について考える時、私たちは両国民の間の日常的な結合体としての民間外交官と姉妹都市関係が持つ、永続的な価値と極めて高い重要性に支えられています。
オープニング
- マイケル・ハイアット氏:UBSフィナンシャルサービス社投資担当上級副社長、元全米国際姉妹都市協会会長、本シンポジウムのテキサス州ホスト委員会会長。
- レベッカ・ヴィアグラン議員:サンアントニオ市議員、本シンポジウムのローカルホスト委員会議長。
- 小山田真(こやまだしん)氏:国際キフ会長、全米国際姉妹都市協会理事、シンカ・グループ(Shinca Group)社CEO。ハリウッド俳優・プロデューサー。
- ロジャーマーク・デ・スーザ氏:全米国際姉妹都市協会社長兼CEO。
- ロン・ニレンバーグ市長:サンアントニオ市長、全米国際姉妹都市協会会長。
- ピーター・サカイ判事:ベア郡第225区地方裁判所判事、米日カウンシル理事。
- ネルソン・ウルフ判事:ベア郡判事。
- デビッド・ウィットリー州務長官:グレッグ・アボット州知事代理
- ホアキン・カストロ連邦議会議員:米日コーカス共同議長(レター)。
- リック・A・ルース氏:米国務省教育文化局上級顧問。
- 相川一俊大使:在米日本大使館特命全権公使。
- ニア・ライト:国際キフ事務総長(日本のファーストレディ・安倍昭恵夫人からの祝辞を代読)。
パネルスピーカー
「日本企業はなぜテキサスを選ぶのか?」
日本企業にテキサスを選ばせる要因が検討されました。これには、日本とテキサスの間の文化的類似性がビジネスの成功を加速している状況も取り上げられました。日本は米国で最も雇用を生み出している外国であり、テキサス州はその主な受益者です。
パネリスト:
- レオ・ゴメズ氏:ブルックス社社長兼CEO。(司会)
- 丹羽高興氏:三菱重工アメリカ代表取締役社長兼CEO。
- ジェンナ・ソセド‐ヘレラ氏:サンアントニオ経済開発財団理事長兼CEO。
- 依田穂積氏:日精樹脂工業代表取締役社長。
- 横尾信明氏:サンアントニオ日米協会会長。
「米国人に対する日本文化および日本語の教育と価値」
米国人に日本の文化・言語・歴史を教えることの価値が取り上げられました。日本文化と日本語に対するより深い理解・認識を築こうとする奉仕活動や、教育的取り組みが強調されました。
パネリスト:
- 島田丈裕氏:日本大使館広報文化担当公使。(司会)
- 福田真樹子氏:テキサス大学サンアントニオ校日本語上級講師。
- 原秀樹氏:国際交流基金ロサンゼルス所長。
- エドソン・コダマ氏:サラヤインターナショナル社取締役副社長。国際青年会議所前事務総長。
- 尾崎直子氏:ライス大学日本語講師。
「貿易と投資:今後の方向性」
2ヶ国間の貿易と投資の重要性に焦点を当て、日米間で現在進められている貿易交渉について検討されました。
パネリスト:
- ジョシュア・ウォーカー博士:ユーラシアグループ社戦略イニシアチブ・日本部門グローバルヘッド。(司会)
- ポーラ・ゴールド‐ウィリアムズ氏:CPSエナジー社社長兼CEO。
- 久保文明博士:日米文化教育交流会議(CULCON)日本副委員長、東京大学教授。
- ジム・ペルシュバック氏:ポートサンアントニオ社社長兼CEO。
- 魚住康博氏:経団連米国事務所所長。
- 渡邉博之氏:テキサス日本事務所代表。
「日米二国間関係における次世代の重要性」
日米関係の枠内での二国間関係における次世代と若者の重要性が掘り下げて議論されました。
パネリスト:
- 小山田真氏:国際キフ(KIF)会長、全米国際姉妹都市協会理事、シンカ・グループ (Shinca Group)社CEO。(司会)
- 石田全史氏:日本青年会議所(JCI Japan)副会頭。
- アレイ・オベンソン氏:国際青年会議所(JCI)事務総長。
- 竹内宏樹博士:サザンメソジスト大学サンアンドスター日本・東アジアプログラム部長および政治学部准教授。
- 竹内春久大使:大和ハウス工業株式会社顧問、元駐シンガポール日本国大使、東京大学大学院教授。
- マイケル・ターナー氏:在日米国大使館文化スポーツ担当官。
カレン・ペンス米国副大統領夫人による民間外交に関する基調演説
2017年3月、ペンス夫人は全米国際姉妹都市協会のミッションに対する多大な支援により、同協会外交リーダーシップ賞を受賞しました。同協会のミッションは、1人ずつ、地域ごとに、相互の尊重・理解・協力を通して平和を推進することです。2017年7月、全米国際姉妹都市協会はペンス夫人を、同協会名誉副会長の役目に任命しました。夫人は民間外交の重要性と、姉妹都市が日本との強固な関係を築き続ける方法について、熱のこもった演説を行いました。夫人は参加した聴衆と一緒に申し分のない日本語でスキヤキソング「上を向いて歩こう」を歌い、演説を締めくくりました。
女性のリーダーシップ:
「二国間関係における民間交流を通した女性のリーダーシップ」
米国と日本の事例を基に、女性のリーダーシップの機会を作り出し、維持するための民間交流の価値が考察されました。
パネリスト:
- ニア・ライト氏:国際キフ事務総長、全米国際姉妹都市協会女性リーダーシップ兼コロンビア地区代表。(司会)
- ルース・コッター氏:AMD社世界マーケティング・人材・IR担当上級副社長。
- 伊藤美佐子氏:日米文化教育交流会議(CULCON)日本事務局長。
- 難波妙氏:GPSP支援局局長、アジア医師連絡協議会(AMDA)理事。
「中小企業にとってのチャンス」
小規模な企業や団体の事業を誘致・維持するチャンスと、この分野での成長を促進するために外部の市場へ目を向けることの重要性が検討されました。また、日米の状況についても言及されました。
パネリスト:
- レネ・ドミンゲズ氏:サンアントニオ市経済開発局長。(司会)
- ドナ・コール氏:コールケミカル社社長兼CEO、米日カウンシル理事。
- 平井利長氏:JETROヒューストン事務所所長。
- マックス・ナバロ氏:ビューテックス社およびオペレーショナル・テクノロジーズ社取締役会長。
- アル・サルガド氏:テキサス大学サンアントニオ校経済開発研究所暫定理事。
兵役:
「兵役に就く人たちに報いる」では、日米の軍事的関係や、災害軽減・復興分野における人的交流の役割に対する感謝など、兵役に就く人たちの役割が称賛されました。
パネリスト:
- ティム・クイグリー氏:全米国際姉妹都市協会名誉会長、国際姉妹都市財団理事長。(司会)
- 番匠幸一郎氏:丸紅株式会社顧問。全日本銃剣道連盟会長。元日本国家安全保障局顧問、第35代西部方面総監。
- ウィリアム・R・ファレル博士:ロードアイランド州日本名誉領事、元全米日系アメリカ人協会会長、ナバル州立大学教授。
- エドワード・ライス氏:元米空軍大将、元サンアントニオ航空教育・訓練軍団司令官。
「労働力と製造、自動車分野におけるチャンス」
自動車分野におけるオートメーションとロボティクスに関する発展、およびそのようなイノベーションが業界全体、特に労働力を形成している状況が提示されました。
パネリスト:
- ロバート・マッキンリー氏:アラモ大学経済・労働力開発担当副総長。(司会)
- ウォルト・ダウニング氏:サウスイースト研究所専務副所長。
- デビッド・マルケズ氏:ベア郡経済開発・コミュニティー計画局事務局長。
- サンディ・ノット氏:トヨタ自動車テキサス工場副所長。
「二国間関係構築における文化の役割」
両国での文化的体験と交流が二国間関係を築いてきた方法が考察されました。文化交流機会の開発においてボランティアの果たす役割も取り上げられました。
パネリスト:
- ジョン・M・スティッチ氏:ダラス市日本国名誉総領事。(司会)
- ピーター・ケリー博士:全米日米協会連合理事長。
- マシュー・ギラム氏:自治体国際化協会ニューヨーク事務所上級調査員。
- 久保文明博士:日米文化教育交流会議(CULCON)副委員長、東京大学教授。
- クリス・タシマ氏:アカデミー賞を受賞した短編映画『ビザと美徳』監督。
文化パフォーマンス:
姉妹都市文化展示 – 作詞作曲家で、インカーネイトワード大学(UIW)サンアントニオ校の音楽学部教授を務めるケビン・サルフェン博士が、2020年東京オリンピック用の新たな異文化間パフォーマンスプロジェクト「フェニックス・ファイア」を紹介しました。このプロジェクトは2020年3月に封切られ、サンアントニオの姉妹都市である熊本市と東京で公演される予定です。プレゼンテーションはUIWの学生たちによる抜粋上演で締めくくられました。
閉会の辞:
閉会の辞は以下の著名なゲストにより行われました:
- 小山田真氏:国際キフ(KIF)会長、全米国際姉妹都市協会理事、シンカ・グループ (Shinca Group)社CEO。
- 福島秀夫総領事:在ヒューストン日本国総領事。
- ロジャーマーク・デ・スーザ氏:全米国際姉妹都市協会理事長兼CEO。
- ロン・ニレンバーグ市長:サンアントニオ市長、全米国際姉妹都市協会会長。
カオル・ワタナベ・トリオによる音楽コンサート
渡辺薫氏と、パーカッションの武石聡氏、ケルトハープのメーヴ・ギルクリスト氏によるショートコンサート。武石氏とギルクリスト氏は両者共に、その革新的な楽器への取り組み方で有名です。このコンサートはミュージカルブリッジ・アラウンド・ザ・ワールド(MBAW)でアドバンスメントディレクターを務めるスへイル・アラストゥ氏が主催しました。MBAWはサンアントニオ市に拠点を置く非営利芸能団体で、文化的に多様なパフォーマンスと視覚芸術プログラムを通して人々を団結させ、教育し、インスピレーションを与えることをミッションとしています。MBAWは長年にわたり、サンアントニオ市の学校に日本の音楽と文化を紹介してきました。